目力穏やかめに、東京を眺めてみれば。 From Editors 1 No. 889
From Editors 1
目力穏やかめに、東京を眺めてみれば。
ポパイではすっかり春の恒例となった「東京」特集。
もう何年やってるのか、考えてもよくわからないのですが、今回はリラックスして町と向き合いたい気分でした。
結局好きなのはなんでもない店ですよねー、なんて話をしていて、編集長から「普段使いの東京案内。」というタイトルが出たときに、「これは肩肘張らずに好きなことをちゃんとページにしていけるな」っていうポジティブな実感が湧いたのを覚えています。
精神的にヘルシー、というか。
「よく毎年、東京特集を作れますね」なんて言われますが、街は変わるものだし、歩くこちらの視点によって街の見え方・見つかるものも変わる。
「いつも気の向くままに使いたい」「通いたい」みたいな視点で東京を見ると、新しい気付きや発見がたくさんありました。
世田谷美術館は建築も展示も好きだけど、無料で使える美術書の図書館があって、映像も見られるし、スゴくいい場所だということ。
『Piatti』という店に行けば、生ハムとかサラミがハイソなパーティミールだなんて思わなくていいとわかること。
東長崎のことは知らなかったけど、これから住んだり通ったりする人が増えるかもなと思ったり。
言ってしまえば地味だけど、いろんな人の「普段使い」の詰め合わせになったから、東京のあちこちのローカル、リアル、みたいなものは体験できる1冊になったと思います。
今回も相変わらずの大量取材&情報ギュウギュウなんですが、のんびりと読んで使ってもらえたら嬉しいです。
気合を感じるあの分厚い『地球の歩き方 東京』とセットで持っておけば、観光も日常もしばらく楽しめるんじゃないかと。
ちなみに、この号は「東京」ですが、「普段使い」というのはどこにでもあるわけで、個人的にはいろんな国・いろんな町の「普段使いの店」をもっと知りたいなと思っています。