二十歳のときはとにかくフルスイング! ホームランもあれば、振り逃げだってある。 From Editors 1 No. 839
From Editors 1
二十歳のときはとにかくフルスイング!
ホームランもあれば、振り逃げだってある。
今回の特集では33人の著名人が登場。できうるかぎり、その方の二十歳や20代にゆかりのある場所でインタビューさせてもらっています。ライムスターの宇多丸さんは青春の学び舎・早稲田大学周辺にて。私事で恐縮ですが、自分にとっても久しぶりの母校訪問。宇多丸さんと一緒にしばし校内を散策して、すっかり近代化された学館(校舎)に、卒業からの月日の長さにあらためて思い至った次第。正門前にて「ここに新歓のブースを出して、それを見て、うちのサークルに入ったのがMummy-D」と宇多丸さんが噛みしめるように話した瞬間、「ああ、自分にもここで過ごした二十歳のときが確実にあったな」と予想外に胸に込み上げるものがありました。
という個人的な感慨もありつつ、33人それぞれの“二十歳のとき”に深く頷いたり、驚いたり、大笑いしたり、考えさせられたり。“二十歳のとき”に正解はないし、何か手応えを得ることのみが“豊潤な20代”とはかぎらない。二十歳で蒔いた種が、花開くのは30代、いやそれより先ってことだってある。それでも、いや、だからこそ二十歳のときは特別なのだと思います。
朝井リョウさんが「恋のダンスサイト」の歌詞を引用しながら「踊るときは別に格好良くなくていいんですよ。ちょっと変でダサいくらいでいいんです」と話していたけど、まさにそれ! 二十歳のときはフォームうんぬんではなく、とにかく自分なりにフルスイングしてみる。そうしたら、思わぬホームランを打てるかもしれないし、振り逃げで出塁なんてラッキーがあるかもしれない。なんて、我が20代を振り返ると偉そうなことは言えないですが、今回だけは許してくださいませ。