Oliveはどこへ行った? From Editors 1 No. 849
From Editors 1
Oliveはどこへ行った?
今月、僕たちは2冊の雑誌を作りました。
ひとつはいつもどおりの『POPEYE』。
もはや年末恒例となった「ガールフレンド」の特集です。
もう1冊は、ポパイのガールフレンド『Olive』。
お若い読者の方々はもしかするとご存知ないかもしれませんが、
80年代~90年代、一世を風靡した女性ライフスタイル雑誌です。
その創刊号の表紙には「Magazine for City Girls」とあります。
そうです、『Olive』は『POPEYE』のガールフレンド、
つまり、シティガールのための雑誌だったのです。
2003年にお休みすることになって以来、『Olive』はどこに行ってしまったのでしょうか?
『POPEYE』の大事なガールフレンドなはずなのに、
彼女はめったに姿を現すことはありませんでした。
僕たちは東京をウロウロ歩いて、行方不明になった彼女の姿を探しました。
もしかしたらもうこの世にいなくなってしまったんじゃないかと思ったりもしましたが、
セレクトショップや古着屋の片隅に、下町の洋菓子店に、
ソフィア・コッポラの新しい映画の中に、三宿に集まった若者たちの会話の中に、
『Olive』はしっかり生きていました。
(なんだ、こんなところにいたのか)
84ページの少し華奢な1冊の中に、
いまの『Olive』なものをたくさん詰め込んだつもりです。
少し慌てて彼女の姿を探したせいか、あれ?と思うものも混ざっているかもしれません。
(そこはご愛嬌)
昼寝にしてはちょっと長すぎるお休みを経て、
とにもかくにも、『Olive』は帰ってきました。
表紙を飾ってもらった彼女はこう言いました。
「HELLO , I’M BACK!」
おかえり、Olive。