この特集が人生の“指針”になることだってある!? From Editors 1 No. 851
From Editors 1
この特集が人生の“指針”になることだってある!?
本音は即答で言葉になるときもあれば、長考を経て吐き出されることもある。昨年に続き、『ポパイ』が敬愛する方々の“二十歳のとき”、そして20代について、じっくりと話を聞かせていただきました。どの方の話も心に響き、気付きを与えてくれましたが、すべては書き切れないので、“即答編”と“長考編”の2つに絞らせていただきます。

特集には31人のインタビューの他に、「二十歳のときに、読んでほしい本と観てほしい映画」という企画もあります。連載「文化水流探訪記」の執筆者・やけのはらさんが挙げたのは『君たちはどう生きるか』と映画『スタンド・バイ・ミー』。1冊の本、1本の映画が人生の“指針”になることだってある。
まずは“即答編”。こちらはバカリズムさんのインタビュー中のこと。テレビのオーディションに受かるために、望まぬ笑いをやるぐらいなら、バイトでお金を稼ぎつつ、地道にライブ活動をやればいいと割り切り、20代半ばにして自ら“潜伏期間”に入ったときの話。こちらの「とりあえずテレビの枠に合わせてみようとは思わなかったか」という質問に、「それは楽しくないじゃないですか!」と即答。ああ、そういう“突っ張り”ができたからこその“今”なのだなと、心底腑に落ちました。「楽しくないじゃないですか!」に続く言葉も示唆に富んでいるので、本誌にてぜひ。
そして“長考編”。まさに今、二十歳のときを生きる柔道家・阿部一二三選手は、昨年の世界選手権に優勝するまでの道程を真摯に話してくださいました。柔道への真っ直ぐな思いを語るなか、「趣味はありますか?」の質問に、この日一番の長考。「……趣味は現役の柔道をやり遂げてからでいいかな」の答えは、一途に一事に取り組むことの尊さをあらためて教えてくれました。
今号の取材を通して、自分自身、次の5年の“指針”を手にした気がします。最新号を見たみなさんも同じ心境になったとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
山口 淳(本誌担当編集)
