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転職をした僕が「仕事」の取材で感じたこと。 From Editors 1 No. 863

From Editors 1

転職をした僕が「仕事」の取材で感じたこと。

あなたにとって「仕事」とは? 大人になれば誰しも、何かしらやらなければならないのが仕事ですが、自分の向き合い方次第で、目に写る世界もちょっとだけ変わってくるのではないでしょうか。かく言う僕も、昨年4月に転職をしてPOPEYEを作っています。10年間別の出版社で雑誌を作ってきて、POPEYEで生きる経験もなくはありませんが、あくまで“新人”という意識で一からのリスタート。編集部によってやり方や考え方はまるで違うものですから、学びと反省を繰り返す毎日です。ただ、僕にとっての仕事は、転職をきっかけに一気に前向きなものになりました。通勤で目に入る地下鉄のホームも、街の喧騒も、毎日にらめっこするPCの画面も、薔薇色とまではいきませんが、ちょっと前よりはよっぽどキラキラして見えている気がします。

そんな僕が、この一冊を作る上でやってきたのは、いろいろな人の仕事場にお邪魔し、話を聞くこと。農家からラッパーまで、とにかく様々な業種の人に会ってきました。月亭方正さんがちゃんと落語家をしているのかを確かめに「なんばグランド花月」に行ったり、ルートセッターという耳慣れない職業を知るために雪の降る山形に行ったり、ラッパーのキッド・フレシノさんの自宅に押しかけたり。やり方や想いは人それぞれですが、共通していたのは、みんな仕事に誇りを持っているということ。そして有名人も市井の人も、皆悩みながら今の道に進み、楽しむことを忘れずに、全力で仕事と向き合っているということでした。なかでも印象的だったのが、故郷でもある群馬県で市議会議員を務める岡正己さんの取材。アートに溢れた政治家らしくない事務所も印象的でしたが、何より政治家という仕事がこんなに自由だとは正直思わなかったもので(詳しくは本誌をご覧ください)。肩書や職種だけで人は判断できないもの。日々の仕事の中で実際に何をやっているのかを聞いてみると、人生観まで見えてくるのでした。にしても、みんな目がキラキラしてたな。

POPEYE3月号「こんな仕事があったのか」では、50人近くの人にどうしてその職業を選んだのかに留まらず、具体的にどんな毎日を送っているのかまで、取材者の言葉を通して多種多様な職業の実情をまとめました。これから就職活動をする人にとっては、仕事選びのガイドとして。すでに就職している人にとっては、今の自分を振り返るための人生訓として。読む人にとってこの一冊が、何かを考え、行動するきっかけとなってくれたら嬉しいです。

角田貴宏(本誌担当編集)
 
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右/特集を考える上で参考にした、スタッズ・ターケルの『WORKING!』。映画評論家から無職の人(!)まで、著者が何人もの市井の人に聞いて回った仕事の話は、臨場感たっぷりで面白い。左/本誌でも様々な方の息抜きグッズを紹介していますが、僕の場合はドクターペッパー。今回もたびたびお世話になりました。
ポパイ No. 863

こんな仕事があったのか。

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ポパイ No. 863 —『こんな仕事があったのか。』

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