マガジンワールド

せっかく、「このまち」にいるのだから。 From Editors 2 No. 865

From Editors 2

せっかく、「このまち」にいるのだから。

「あなたが東京で一番好きな場所を教えてください」という超直球(!)な質問を100人に尋ねた「僕の好きな東京100」(P.82~101)。ユナイテッドアローズの栗野宏文さんに40年通う代官山の和定食「末ぜん」のお話を聞いたときのこと。「ランチひとつとっても、せっかくだから美味しいものを毎日食べたいじゃないですか」。「せっかくだから」という栗野さんの言葉が強く印象に残りました。

そう、食に限らず、東京には数え切れないほどの選択肢があり、特にこだわらなければ、近くのお店やECでなんでも手に入るし、食べられるし、体験できる。

でも、いつもの見慣れた道の一本裏に入ったり、ときには遠くまで足をのばしたり、誰かに聞いたり、本で調べてみれば、もっといいものや場所、人に出逢えたりもする。そこに「お金」や「東京に何年いる」みたいなことはあまり関係がなくて、少しの好奇心と、手間を惜しまない気持ちがあれば、誰にでも「東京」は開かれている。

51年ご夫婦でやっている、北千住の喫茶店。再開発でなくなってしまう立石の呑んべ横丁。渋谷の新しい歩道橋に差し込む美しい光。

せっかく、この街にいるのだから、知らないものや新しい価値観、本物に触れたい。そして、「ぼくのまち、東京」と呼べる、愛着のある場所にしたい。

そのためにはどんな気持ちや視点を持ってこの街を歩けばいいのだろう。どんな場所に行って、どんな人と、どんな話をしようか。そんなことを考えながら作ったのが今回の「東京」特集です。

初めて東京に来た人も、ずっと住んでいる人も、このポパイがこの街を巡る一助になれば、これほど嬉しいことはありません。

斎藤和義(本誌担当編集)
 
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先輩たちはどんな東京特集を作ってきたのだろう、と夜の編集部でバックナンバーを読み始めたら止まらなくなった。中でも気になったのが1985年2月25日号「ボクたちの東京ナンバーワンものがたり」。ぎっしり書き込まれた東京のイラストマップがいい味出してます。


ポパイ No. 865

ぼくのまち、東京。

897円 — 2019.04.09電子版あり
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