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サマーリーディングとうなぎ。 From Editors 1 No. 880

From Editors 1

サマーリーディングとうなぎ。

サマーリーディング、というのはアメリカじゃ当たり前の習慣だし、日本でも夏に本屋に行くと文庫なんかの大きなフェアをやっていますよね。
学校では夏休みに課題図書が出るし、「夏は本を読もう!」っていう空気が当たり前のように漂ってくる。

「夏はうなぎを食べよう」っていう土用の丑の日も似ていて、あれも当然のような顔してうなぎ屋さんとかコンビニにポスターが貼られたりしている。
これは江戸時代の学者・平賀源内が発案した広告キャンペーンみたいなものっていう説が有名で、夏に売れないと嘆く鰻屋から相談を受けて「本日丑の日」というコピーを掲げたら大繁盛したとか。
尾びれ背びれがついて、精力をつけようとかなんとかで、夏にうなぎを食べるのはいいことだ、ってことになっている。

じゃあサマーリーディングはいつ、どこで、どうやって始まったのか?
僕たちは誰のせいで読書感想文を書かなければいけなかったのか(笑)。
そんなことわからないまま、今回は“読書の夏”に思いっきり加担する特集を組みました。
(誰か、正確に知っている人がいたらぜひ教えてほしいです)

でも何であれ、よくわからないけど毎年必ずやってくるこの“夏の気分”っていいもので、
うなぎは脂がのった旬の冬に食べるのが通だけど、夏にだって妙に食べたい。
本なんて季節を問わずに読みたいってのが本筋かもしれないけど、この夏の空気に流されたっていい。
気分に乗って、いつもなら読まないような本を手にとってみたり。
それが意外にも自分にとって良書だったりしたらだいぶツイてますね。

気分に身を任せられる習慣っていうのは軽やかでいいなと思うし、サマーリーディングもいい習慣・いい文化だなと思います。
今回は特集を作った勢いに任せて、急遽、限定の「POPEYE SUMMER READING Tシャツ」も作りました。
全国7つの書店が先行しますが、販売方法も調整中ですので、また近日SNSでお知らせします。

榎本健太(本誌担当編集)
 
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ドイツの哲学者・ショウペンハウエルは著作の『読書について』で、読書をするということは自分で考えなくなることだ、といったこと述べています。ただ読むだけなら、そうかもしれませんが、ビル・ゲイツが習慣にしているThink Weekは、1週間くらい日常から離れてひたすら本を読み、考えるものです。本誌では俳優の池松壮亮さんなど6名の方が実践。どんな本を選び、何を考えたか。
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これは片岡義男さんの著書『ブックストアで待ちあわせ』。ポパイで70年代〜80年代にやってくださっていた連載の中から、アメリカの本についてだけ抜き出して編んだエッセイ集です。今回の付録ブックレット『ブックストアでまた待ちあわせ』には、片岡さんなど7名が書き下ろしのエッセイを寄稿してくれました。


ポパイ No. 880

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