マガジンワールド

水天宮の河童面 みやげもんコレクション 257 BRUTUS No.852

みやげもんコレクション 257水天宮の河童面

福岡県/久留米市
文 / 川端正吾

河童面はオス、メスの2種。各1,500円(全国総本宮 水天宮☎0942・32・3207)。

筑後川を棲家に、神の使いとして民たちを守った河童。

安産や子授け、水難除けなどの御利益で知られる水天宮。全国各地にある水天宮の総本宮は福岡県久留米市にあります。その由来は、壇ノ浦の戦いまで遡り、安徳天皇の母である高倉平中宮に仕えていた女官の按察使局伊勢(あぜちのつぼねいせ)が、今の筑後川に程近い鷺野ヶ原に逃れて、水天宮を祀ったのが始まりといわれています。

この筑後川には、九千坊河童(くせんぼうかっぱ)と呼ばれる西日本随一の勢力を誇っていた河童がいました。一族は9000匹にも及び、もともとは熊本を棲家(すみか)にしていましたが、悪さばかりしていたことから加藤清正にこらしめられ、「今後一切悪さをしない」と約束し、久留米の有馬公から筑後川に棲(す)むことを許されます。九千坊河童は、有馬公に感謝し、以後、悪さをすることなく水天宮の護り役となり、水害などから人々を守ったそうです。

そんな河童伝説にまつわる水天宮の授与品がこちらの「河童面」。水天宮の除災招福の神となった河童は「福太郎」とも呼ばれ、この河童面を鬼門・悪方にかかげれば魔除けとなり、商売繁盛、家運繁栄などの御利益もあるといわれています。

image
image
写真上/河童面はオス、メスの2種。各1,500円(全国総本宮 水天宮☎0942・32・3207)。写真中/平家一門の霊を弔うための御神幸祭。神饌(しんせん)を供え、その後に筑後川に放流し、川を清める。写真下/本殿。


 

掲載:BRUTUS#852 (2017年8月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。