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勝御籤 みやげもんコレクション310 BRUTUS No.905

みやげもんコレクション 310勝御籤

愛媛県/今治市
文 / 川端正吾

勝御籤。入っているのは写真の5つの縁起物のうち1つのみ。各200円(大山祇神社☎0897・82・0032)。

瀬戸内海の要所に鎮座する戦の神のお守り。

愛媛県今治(いまばり)市の沖、芸予海峡の中央にある大三島に鎮座する大山祇(おおやまづみ)神社。この地は古くから瀬戸内海の交通の要所であり、水軍の拠点にもなっていた場所です。大山祇神社がお祀(まつ)りする大山積神は、伊弉諾(いざなぎ)神と伊弉冉(いざなみ)神の子で、もともとは山の神でしたが、この土地柄から、海の神としても親しまれれています。また、源氏・平氏をはじめとした多くの武将たちが武運長久を祈ったことから、戦(いくさ)の神としても信仰されています。彼らは武具を多数奉納しており、国宝や重要文化財に指定されている甲冑(かっちゅう)の多くが、この神社に集まっています。

境内には、戦の神らしい授与品も用意されています。それがこの「勝御籤(かちみくじ)」。通常のおみくじに加え、勝運招来や厄除けを表す「兜(かぶと)」、龍門を昇る勝運上昇の魚「昇鯉」、前にしか進まず引くことをしない勝ち虫の「トンボ」、災難を振り払って勝運招福をなす「軍配」、魔を断ち切り百戦百勝を導く「刀」の5種類の鉄製の赤い縁起物が、いずれか一つ入っています。これを身に着けておくことで、それぞれの象徴の御利益が得られるそうです。

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写真上/勝御籤。入っているのは写真の5つの縁起物のうち1つのみ。各200円(大山祇神社☎0897・82・0032)。写真中/樹齢2,600年ともいわれる大楠。写真下/2010年に再建された総ヒノキ造りの総門。


 

掲載:BRUTUS#905 (2019年12月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。