眼病平癒 みやげもんコレクション350 BRUTUS No.945
みやげもんコレクション 350眼病平癒
徳島県/三好市
文 / 川端正吾
雲海を見下ろす天空の寺院でいただく眼病平癒のお守り。
四国八十八ヶ所の霊場の一つで、その中でも最も高い標高911mという四国山脈の頂上付近に位置する〈雲辺寺〉。現在は麓からロープウェイで登ることができるようになっていますが、かつては「遍路ころがし」と呼ばれ、屈指の難所として知られていました。縁起によると、弘法大師は雲辺寺に3度登っているそう。最初は延暦8(789)年、大師16歳のときで、第75番の善通寺の建材を求めてでしたが、この霊山に心打たれ、堂宇(どうう)を建立(こんりゅう)しました。これが創建とされています。その後、2度目には、唐からの宝物を使って秘密灌頂(かんじょう)の修法をし、3度目は嵯峨天皇の勅令により、本尊を彫るなどして霊場として定めました。
その本尊の胎内には、眼病平癒を願った「目アララカニナシタマエ」という言葉と絵が墨書されています。その文字と絵をそのままあしらったお守りがこの「眼病平癒」。このお守りは、観音様の縁日である毎月18日にのみ授与されるもので、眼病を患っている人にはもちろん、目を酷使することが多い現代人の目を守るために特別な祈願がされています。
写真上/眼病平癒。色は白と薄ピンクがある。各1,000円(雲辺寺☎0883・74・0066)。写真中/本尊の胎内に書いてある文字と絵。写真下/雲海を見下ろす天空の寺院として知られている。
掲載:BRUTUS#945 (2021年9月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。