From Editors 1 No. 828 テレンス・コンランと1979年の『ポパイ』
From Editors 1
テレンス・コンランと1979年の『ポパイ』
去年の秋ぐらいのこと。
このインテリアの特集をどう作ろうかなとパラパラといにしえの『ポパイ』をめくるという恒例儀式を行っていると、1979年のロンドン特集で、あるひとつのおもしろい記事を発見。
このインテリアの特集をどう作ろうかなとパラパラといにしえの『ポパイ』をめくるという恒例儀式を行っていると、1979年のロンドン特集で、あるひとつのおもしろい記事を発見。
「コンランが書いた3冊の暮らしの本」と題されたコラムには、「ザ・ハウス・ブック」という本が紹介されていて、「『ザ・ハウス・ブック』などは450ページもある。この中に、暮らしのノウハウのすべてが収められている。」と書いてあった。
テレンス・コンラン卿がエディットした大作ならばこれは参考になりそうだと早速amazon.comで0.01ドル(!)でポチ。36年前の『ポパイ』に感謝しつつ、到着を待ったのである。
ほどなくして届いた分厚い本は3000円も送料がかかったけれど、中身は最高にエキサイティングなものだった。
床、ドア、ライト、ラグ、キッチン、暖房、収納、ドアノブなどなどカテゴリーごとにコンランの見解が詳細に述べられ、それに基づいた図解や提案が事細かく記されていたのである。
例えばライトのページなんかは猫ちゃんのイラストを使いつつ、証明の光がバウンスする角度まで丁寧に解説が施されているのだ(写真参照)。
今回の特集はそんなコンラン先生の著書に倣い、家具のカテゴリーや気になるキーワードごとにポパイならではの提案をしています。
氏の狂気と言ってもいいほどの熱量に並ぶことはできなかったかもしれませんが、ひとり暮らしのシティボーイが現実的に取り入れられるインテリアやアイデアをたくさん詰め込んでいます。
というわけで、ポパイがリニューアル以降、4回目となる部屋の特集はいつもとかなり違った、インテリア寄りの内容になっております。
コンラン先生も見てくれるといいのですが。
(ちなみに表紙もちょっとだけ、『ザ・ハウス・ブック』風です)
青山洋行(本誌担当編集)