みやげもんコレクション 229 狛犬土鈴
大阪府/大阪市
文 / 川端正吾
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迫力満点の顔でギョロリと睨みつける浪花狛犬の土鈴。
神社に鎮座する狛犬にも、実は東西で違いがあります。関西方面の「浪花狛犬」と呼ばれるタイプは、ギョロリとした大きな目と太い眉毛が特徴。鼻も団子鼻で、唇も分厚く、とても濃い顔つきをしています。また、吽(うん)型狛犬の頭には角が生えているものが多いです。対する関東方面の「江戸狛犬」と呼ばれるタイプは、目鼻はそれほど強調されておらずあっさりめの顔。また、角があるものは、あまり多くありません。顔だけでなく、姿勢も異なり、浪花狛犬がピシッと背筋を伸ばしてどっしりと座っているものが多いのに対し、江戸狛犬は流麗で躍動感あるポーズなども作られています。浪花狛犬は、総じて古くからの様式を伝えており、江戸狛犬は、斬新さを求めて様式を変えてきたといえます。
そんな浪花狛犬の典型的な姿を残しているのが、大阪にある堀越神社の狛犬。寛政12(1800)年製の狛犬は、空襲で崩壊しましたが、昭和45(1970)年に再建されたものが鎮座しています。この狛犬を忠実に再現した狛犬土鈴は、家の守り、神棚の守りの“堀越さん名物”として授与されています。
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写真上/狛犬土鈴5,000円(堀越神社☎06・6771・9072)。写真中/浪花狛犬が鎮座する鳥居前。境内には先代の狛犬も保存展示されている。写真下/カラフルなうろこ柄の御守袋も人気の授与品。
掲載:BRUTUS#824 (2016年6月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。