布袋尊 みやげもんコレクション315 BRUTUS No.910
みやげもんコレクション 315布袋尊
兵庫県/宝塚市
文 / 川端正吾
7年間かけて、毎年大きくしていく、荒神社の布袋。
兵庫県宝塚市にある真言三宝宗の大本山、清荒神清澄寺(きよしこうじんせいちょうじ)。創建は平安初期に宇多天皇によってなされました。火の神、カマド(台所)の神である三宝荒神が祀(まつ)られており、火を扱うカマドは家庭や会社の中心とされることから、カマドが賑わえば、家庭や会社が繁栄すると信じられてきました。
また、そんな三宝荒神の従者として、また七福神の一人として知られる布袋尊も祀られています。布袋尊は唐代の聖人で、名前は契此(かいし)といい、常に身の回り品を入れた袋を背負い、集落を巡って子供たちと遊びました。また、一切欲を持たず、悠々自適な暮らしをしながら、人々の願いを導いたことから、弥勒菩薩の化身ともいわれています。
そんな布袋尊の授与品がこちらの土人形。伏見人形製の布袋像は、大きさが違う7種があり、毎年、1つずつ授与してもらい、サイズを大きくしていきます。そして、神棚に小さいものから順に祀っていき、7年かけて揃えます。もし、その間に家庭に不幸があった場合は、それまでの布袋尊はすべて納め、また一番小さなものから授与してもらいます。
写真上/布袋尊1,000円〜(清荒神清澄寺☎0797・86・6641)。授与期間は毎年12月23日〜翌年2月5日。写真中/授与所にずらりと並ぶ、7サイズの布袋尊。写真下/鳥居前に鎮座する布袋尊像。
掲載:BRUTUS#910 (2020年3月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。