幸せの糸巻 みやげもんコレクション 258 BRUTUS No.853
みやげもんコレクション 258幸せの糸巻
愛知県/名古屋市
文 / 川端正吾
裁縫の上達で良縁を授ける神様の五色糸のお守り。
名古屋の一大繁華街である大須にあり、名古屋総鎮守として知られる若宮八幡社。この若宮八幡社の境内には、本殿のほか9つの末社があり、今回ご紹介する「幸せの糸巻」は、そのうちの一社である〈神御衣(かんみそ)神社〉にまつわるお守りです。
御衣(みそ)様は、もともとは大国主命(おおくにぬしのみこと)の国造りに力を尽くした神様として、古くから多くの人々に敬われてきました。また、裁縫を上達させてくれることで女性に良縁をもたらす、ということから、縁結びの神様としても親しまれています。毎年2月8日には、使えなくなった針を豆腐やこんにゃくにさして供養する『針供養まつり』が行われます。かつては裁縫の上達を願う女性たちが集まっていた年中行事でしたが、今では良縁を願う女性が参加するお祭りとして人気となっています。
社には、末長い幸せを紡ぐ御利益があると信じられている5色の縄が編まれて結ばれており、この5色縄を模したお守りが「幸せの糸巻」です。まだ授与されるようになってから歴史の浅いお守りですが、名古屋の縁結びのアイコンとして、すっかり定着しつつあります。
写真上/幸せの糸巻。1,000円(尾張名古屋総鎮守 若宮八幡社☎052・241・0810)。写真中/氏子総代が狐に扮してお参りするユニークな初午まつり。写真下/神御衣神社の社に結ばれた5色の縄。
掲載:BRUTUS#853 (2017年9月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。