和の守 みやげもんコレクション312 BRUTUS No.907
みやげもんコレクション 312和の守
和歌山県/田辺市
文 / 川端正吾
日本とスペイン、2つの巡礼道を結ぶお守り。
日本を代表する巡礼道である和歌山県の世界遺産・熊野古道。スペインには、同じく世界遺産の巡礼道であるサンティアゴ・デ・コンポステーラがあります。世界的にも珍しい世界遺産の巡礼道同士で交流があり、2つの巡礼道を踏破した人には、「2つの道の巡礼者」の証明書と記念品が贈られる、という取り組みが行われています。
この「2つの道の巡礼者」にまつわるお守りが熊野本宮大社で授与されています。それがこちらの「和の守」。表面は熊野古道をイメージした八咫烏(やたがらす)。裏面にはサンティアゴの道端に生えるラベンダーの木と、巡礼道のシンボルであるホタテ貝をモチーフにした柄があしらわれています。このお守りにしては、とてもアバンギャルドなタッチの絵柄、実はあの漫画家の荒木飛呂彦先生によるデザイン。荒木先生は、十数年前に熊野古道を歩いて以来、熊野本宮大社に何度も参拝されているのだとか。その縁で、この独特の佇まいのお守りが誕生しました。「心を決めて何かに立ち向かう時、また志半ばで道に迷った時、勇気が出るように」と願って描かれたそうです。
写真上/裏面のイメージはサンティアゴ。写真中/お尻には蒙古斑も。写真下/「オカラスさん」とも呼ばれる熊野牛王神符。
掲載:BRUTUS#907 (2020年1月1・15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。