神面小鈴 みやげもんコレクション322 BRUTUS No.917
みやげもんコレクション 322神面小鈴
宮崎県/西臼杵郡
文 / 川端正吾
天岩戸開きを舞い踊る夜神楽の土鈴。
須佐之男命(すさのおのみこと)のいたずらに怒った天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、天岩戸に籠(こ)もってしまうという、古事記、日本書紀の中でも、特に有名な神話。その天岩戸とされる洞穴を御神体としているのが、宮崎県の高千穂町にある天岩戸神社です。天岩戸は、社殿の背後にある断崖の中腹にあります。通常の神社のような本殿があるわけではなく、御神体である天岩戸を望める拝殿があり、そこでお参りするのです。
天岩戸に隠れた天照大御神を誘い出すために天鈿女命(あめのうずめのみこと)やほかの神々が踊ったといわれる舞も、神楽となって伝わっています。この神楽は、国指定の重要無形文化財にも指定されており、春秋2回の大祭で披露されます。また、冬には各部落の民家に氏神様を招き、16時間かけて夜通し33番の舞を舞い明かす夜神楽も有名。各種祈願の舞があり、終盤に天岩戸開きの神楽を舞って終わります。
この神楽で使われている天鈿女命と手力男命(たぢからおのみこと)の面がモチーフとなった授与品がこちらの神面小鈴。天鈿女命は芸能の神、手力男命はスポーツの神として崇拝されており、人々に親しまれています。
写真上/神面小鈴1,200円(天岩戸神社☎0982・74・8239)。写真中/天岩戸神社の社家の内に代々承け伝えられている天岩戸神楽。写真下/切り紙などのしめ飾りがされた天岩戸神楽の舞台。
掲載:BRUTUS#917 (2020年6月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。