日本武尊土鈴 みやげもんコレクション324 BRUTUS No.919
みやげもんコレクション 324日本武尊土鈴
三重県/鈴鹿市
文 / 川端正吾
ヤマトタケルの終焉の地にまつわる立像の土鈴。
日本武尊(やまとたけるのみこと)の終焉の地として知られる、三重県鈴鹿市の加佐登(かさど)町。日本武尊は、東征を行ったその帰路に、伊吹山の荒神退治を行いました。その際、油断があったのか、草薙剣を、お妃である美夜受比賣命(みやずひめのみこと)に預けたまま向かってしまったのです。その結果、伊吹山に登る途中、山神が化けた白猪に出会い、毒入りの大きな雹(ひょう)を打ちつけられてしまいます。毒に侵された日本武尊は、動かない体を引きずりながら、能褒野(のぼの)という場所へと辿り着きます。この場所については諸説ありますが、その一つが加佐登町にある白鳥塚古墳の周辺だといわれています。毒によって能褒野で力尽きた日本武尊は、白鳥になり大和へ飛んでいったといわれることから、その名がつきました。また、日本武尊が能褒野に着くまでに、足が三重に曲がってしまうほど疲れた、という逸話が三重県の名前の由来にもなっています。そして、このとき残された「笠」と「杖」を御神体として、白鳥塚の前には、加佐登神社が建立(こんりゅう)されました。神社には、日本武尊の大きな石像があり、これを模した土鈴が病気平癒の縁起物として授与されています。
写真上/諸病平癒や交通安全の御利益があるとされ、親しまれている日本武尊土鈴1,500円(加佐登神社☎059・378・0951)。写真中/加佐登神社の本殿。写真下/日本武尊終焉の地とされる白鳥塚古墳。
掲載:BRUTUS#919 (2020年7月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。