干支土鈴 みやげもんコレクション337 BRUTUS No.932
みやげもんコレクション 337干支土鈴
京都府/京都市
文 / 川端正吾
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10,000体ものだるまに出会える法輪寺の土鈴。
京都市上京区にある臨済宗妙心寺派の法輪寺。京都には嵐山にも同じ名前のお寺がありますが、上京区の法輪寺は別名「だるま寺」とも呼ばれています。その通称の通り、境内の庭石から屋根の鬼瓦まで、だるまが象(かたど)られており、また大小様々なだるまも多数納められているなど、すべて合わせると1万体余りのだるまに出会えるのだとか。
縁起物として、とても馴染みの深いだるまは、インドから中国へ禅を伝え、禅宗を起こした達磨大師がモデルとなっており、室町時代あたりから作られるようになったそうです。達磨大師は、壁に向かって9年にもわたり座禅を組む修行を行い、悟りを開きました。その際、あまりに長い時間動かずにいたことから、手足が腐(く)ちてなくなってしまった、という逸話がもとになって、今の手足のないだるまが生まれたといわれています。
そんな達磨寺にはもちろん、様々なだるまにまつわる授与品があります。中でも十二支とだるまが組み合わさる「干支土鈴」は、代表的な授与品。小さなだるまを思い思いに抱えるその姿はとても愛らしく、すべてコレクションしたくなります。
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写真上/干支土鈴、各1,000円(法輪寺☎075・841・7878)。写真中/今年の干支である丑の干支土鈴。写真下/終戦後に作られた〈起き上がり達磨堂〉には、約8,000体ものだるまが奉納されている。
掲載:BRUTUS#932 (2021年2月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。