有田焼御守り みやげもんコレクション343 BRUTUS No.938
みやげもんコレクション 343有田焼御守り
佐賀県/西松浦郡
文 / 川端正吾
陶祖が祀られる有田でいただく白磁のお守り。
有田焼の里として知られる、佐賀県西松浦郡有田町。約400年前に、陶器の原料となる磁礦(じこう)が泉山にて発見され、続々と陶工たちが集まり栄えた町です。そんな陶器の里にあるのが、陶山神社。明治21(1888)年に奉納された高さ3.7m、幅3.9mの白磁の大鳥居は、町のシンボルです。また、鳥居だけでなく、狛犬から大灯籠、なんと本殿の玉垣まで白磁でできており、境内の随所に名工たちの技が見られることから「野外美術館」とも呼ばれています。祭神には品陀和気命(ほむだわけのみこと)を祀(まつ)っており、さらに、有田で磁礦を発見した窯業創業の祖である帰化人の李参平も境内社の記念碑にて祀られており、地元では「やきものの神様」として親しまれています。
そんな陶山神社は授与品も白磁にこだわっています。お守りも白磁でできており、境内にある宗廟窯で、神職の手で焼かれています。写真上の有田焼御守りは十二支が揃っており、身に着けることで陶祖之神の御神徳をいただくことができるとされています。また、絵馬や御朱印帳に至るまでが白磁でできているという徹底ぶりです。
写真上/有田焼御守り。根付け用の紐も付いてくる。各500円(陶山神社☎0955・42・3310)。写真中/白磁の大鳥居。写真下/同じく白磁でできた本殿の玉垣。青い呉須(ごす)による唐草模様が映える。
掲載:BRUTUS#938 (2021年5月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。