明治期より新潟県見附市の今町で作られていた土人形の「今町だるま」。長きにわたって廃絶していたこのだるまが、以前ご紹介した今町で作られている「今町べと人形」の伝承会の手によって復活しました。残されている資料も少なく謎の多いだるまですが、書籍や、残されている数少ない作品を参考に、試行錯誤を繰り返して復元したものです。黒目がちの目が特徴的なだるまで、製作時期によって、表情も様々で、いくつかのパターンが作られています（写真中）。

そして、新潟のだるまといえば、とんがり頭の三角だるまが有名です。底面に半円のおもりがとりつけられた起き上がり小法師で七転び八起きを願い、病気や災いから早く復帰できることを願って作られた縁起物です。実はこの三角だるまも今町で作られていました（写真下）。かつては新潟の各地で作られていましたが、現在はこの今町と阿賀野市の水原（すいばら）で作られているものが残っているだけとなっています。今町の三角だるまも、廃絶していたものを伝承会が復活させたもの。次々と魅力的な玩具が今町に戻ってきています。