約700万年前に隆起した海床に、貝殻が堆積してできた島である、宮崎市の青島。そんな隆起海床が波で削られてできた「鬼の洗濯板」と呼ばれる奇岩の景色は、国の天然記念物にも指定されている観光名所です。また、北半球最北のヤシ科植物の群生地としても知られ、国の特別天然記念物にも指定されています。実は、この青島、島全体が中央に位置する〈青島神社〉の境内地。約280年ほど前までは、一般人の入島は禁じられており、神職と島奉行などの役人のみが上陸できましたが、当時の宮司がより多くの人たちに参拝してもらえるようにと藩主に働きかけ、以来、一般人の入島が許されるようになったのだとか。祭神には、海幸・山幸の伝説で有名なヒコホホデミノミコト（山幸）とその后であるトヨタマヒメノミコトを祀（まつ）っています。２柱は、あらゆる和合をもたらす神様として信仰を集めており、縁結びの縁起物が盛りだくさん。なかでも古くから愛されているのが、こちらの神ひな。古くは安永年間の記録にも残っており、結縁、安産、病気平癒など、さまざまな願いをかけて、神前にお供えします。