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みやげもんコレクション 202 五色鈴

愛知県/名古屋市
文 / 川端正吾

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鈴虫の声のような澄んだ音色で厄を払う神鈴。

名古屋の一大繁華街である栄。その喧騒の中に、ぽつんと静けさを保つ小さな鎮守の森があります。風変わりな縁結びの参拝法が伝わることで知られる洲崎神社です。境内には、高さ50㎝程度の小さな鳥居があり、なんと、そこを腹ばいになってくぐってから、猿田彦命にお参りをします。その後、境内の別の場所に祀られている、猿田彦命の妻である天鈿女命にも併せてお参りをすることで、良縁が結ばれるといわれています。

この有名な縁結びのほか、洲崎神社には、もう一つ、「厄除け」の御利益で有名な授与品があります。それが、この「五色鈴」。朱、黄、青、緑、白に色付けされた小さな土鈴が5つ連なっており、これは、かつて、尾張徳川家が名古屋の町を開いた際に、疫病が流行り、五色の土鈴を洲崎神社に納めたところ、病が収まった、という故事からきたもの。小ぶりな鈴は、かつて、イチョウに鈴なりにギンナンが実る名所であったことから、その実を模しています。鈴を振ると、硬質なガラスのような澄み切った高音を響かせ、まるで鈴虫の鳴き声のような音色を聴かせてくれます。

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写真大/社務所にて授与されている五色鈴。写真上/名古屋の中心地にひっそりと佇む本殿。写真下/縁結びのお願いをする際、腹ばいでくぐる小さな鳥居。●洲崎神社/愛知県名古屋市中区栄1。


 

掲載:BRUTUS#797 (2015年4月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。