みやげもんコレクション 232 赤城神社の狛犬
東京都/新宿区
文 / 川端正吾
どこか神秘的でエキゾティックな面持ちの加賀白山犬。
正安2(1300)年、群馬県にある赤城山麓の豪族であった大胡彦太郎重治が牛込に移住した際、赤城神社の御分霊をお祀りしたのが始まりとされる東京の赤城神社。その後、弘治元(1555)年に大胡宮内少輔が現在の神楽坂に遷(うつ)しました。江戸期には日枝神社、神田明神とともに「江戸の三社」と呼ばれ、この三社に限り祭礼の際に出る山車(だし)や練り物などが江戸城の竹橋から内堀に入り、半蔵門に出ることを許されていました。
そんな由緒ある赤城神社が2010年、戦後復興できていなかった神楽殿などをはじめとした再興工事を行う「赤城神社再生プロジェクト」を完了。カフェなども併設されたモダンな境内に生まれ変わりました。一連の大改修の中、狛犬も新調されています。とはいえ、デザインは昔のまま。江戸時代に「加賀白山犬」と呼ばれて流行したスタイル。社務所では、この狛犬の姿をそのままミニチュア化した、魔除けの御守が授与されています。大きな耳や鋭い目つきはどこかエキゾティック。その佇まいから「スフィンクスのような風貌をした狛犬」としても人気だったりします。
写真上/赤城神社の狛犬2,000円*2体セット(赤城神社☎03・3260・5071)。写真中/赤城神社の本殿。磐筒雄命(いわつつおのみこと)と赤城姫命(あかぎひめのみこと)が祀られる。写真下/阿吽が向き合うようにして本殿前に鎮座する狛犬。
掲載:BRUTUS#827 (2016年7月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。