みやげもんコレクション 240 八咫烏
神奈川県/横浜市
文 / 川端正吾
クスノキの香りがうるわしい横浜の八咫烏。
サッカー日本代表のシンボルマークとしてもお馴染みの八咫烏(やたがらす)。日本神話の中で、熊野の山中で道に迷った神武天皇を橿原(かしはら)まで導き、神武東征を成功させた太陽の化身とされています。また熊野では、熊野大神として祀られる素盞嗚尊(すさのおのみこと)の御使いである聖なる鳥としても知られ、熊野信仰のシンボルのような存在となっています。足が3本あるのが特徴で、それぞれが「天」「地」「人」を表しているといわれています。
そんな八咫烏をモチーフにした木彫りの授与品が、横浜熊野神社にて授与されています。およそ1200年前の弘仁年間に、紀州熊野の別当である尊慶上人が和歌山の熊野本宮御祭神の御分霊を横浜の鶴見に勧請(かんじょう)したことから開かれた神社です。クスノキを使った木彫りの八咫烏は5㎝ほどの小さな可愛らしいサイズ。また、檜(ひのき)製の木鷽(きうそ)の授与も行われており、とても良い香りが広がります。木鷽というと、菅原道真公を御祭神とする天満宮の縁起物として一般的には知られますが、熊野神社の境内には、道真公を御祭神とする「五社大神」もあるため、授与が行われています。
写真上/八咫烏の木彫り2,000円(横浜熊野神社☎045・504・7745)。写真中/檜製の木鷽。2,000円。共に通年授与され通販も可。写真下/檜製の木鷽。2,000円。共に通年授与され通販も可。
掲載:BRUTUS#835 (2016年11月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。