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須磨張り子 みやげもんコレクション 263 BRUTUS No.858

みやげもんコレクション 263須磨張り子

兵庫県/神戸市
文 / 川端正吾

土俵入り(大)2,500円。

新しい神戸の顔として人気を博す張り子の力士。

30年ほど前から、神戸市の須磨にて作り始められた新しい郷土玩具「須磨張り子」。今回、ご紹介する力士の張り子は、その創作開始当初から作られている人気の作品です。

力士の張り子は大阪張り子や宇土張り子などでも古くから作られているモチーフ。我が子が元気で強い子に育ってほしい、という願いを込めて飾られてきました。須磨張り子でも、職人の吉岡武徳さんが大の相撲好きであることもあって、好んで作られており、筋肉の盛り上がった重量感ある肉体を見事に再現しつつ、素朴で愛らしい張り子玩具に仕上げています。鮮やかな色使いや、躍動感ある作風はとても評判が良く、神戸の郷土玩具として着実に定着してきました。新しい玩具ですが、昔ながらの手仕事にこだわっており、使う紙も、水分を吸いやすく厚手である江戸から明治期までの古紙にこだわって集め、使用しています。

また、吉岡さんは、自身の創作玩具だけでなく、以前この連載でも紹介した「神戸だるま」の復元製作も手がけており、新旧の郷土玩具の担い手として活躍しています。

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写真上/土俵入り(大)2,500円。写真中/はっけよい(大)1,500円。写真下/力士豆800円(以上すま張り子館☎078・362・1826)。力士人形のほか、干支や招き猫、月見兎などもある。


 

掲載:BRUTUS#858 (2017年11月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。