鏡絵馬 みやげもんコレクション308 BRUTUS No.903
みやげもんコレクション 308鏡絵馬
京都府/京都市
文 / 川端正吾
美しくなりたい女性の願いを叶える美麗の神様。
京都の世界遺産、下鴨神社の糺(ただす)の森には、数多くの摂社が祀(まつ)られています。中でも一番大きな摂社であるのが河合神社。ここには多くの女性が参拝に訪れます。というのも、この河合神社の御祭神は、玉のように美しいことから“美麗の神”として信仰される玉依姫命(たまよりひめのみこと)。女性が抱く「美しくなりたい!」という願望を叶えてくれる神様なのです。神社の門にも「女性守護日本第一美麗神」の文字が掲げられています。
この玉依姫命にちなんだ、美麗祈願の縁起物がこちらの「鏡絵馬」。小ぶりな手鏡の形をした絵馬で、片面には、顔の線画が描いてあり、その顔に普段使っているメイク道具で、なりたい顔をイメージしながら化粧を施し、もう片面に願い事を書くと、外見だけでなく内面も磨かれて美しくなれる、という御利益のある絵馬です。境内には、絵馬にメイクするためのお化粧室も用意されているので、じっくりと好みの美顔を仕上げることができます。出来上がった絵馬を奉納すると御供米(おくま)が授与され、これを自宅の米と混ぜて炊いて食べると、美麗祈願が成就するのだとか。
写真上/鏡絵馬。800円(下鴨神社☎075・781・0010)。写真中/化粧を施す線画の顔の面と、願いを書く朱色の面。写真下/化粧が施され、本殿に奉納された絵馬たち。実に様々な表情が並ぶ。
掲載:BRUTUS#903 (2019年11月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。