愛染守り みやげもんコレクション317 BRUTUS No.913
みやげもんコレクション 317愛染守り
大阪府/大阪市
文 / 川端正吾
愛染かずらで知られる勝鬘院の花守り。
大阪の四天王寺にある〈愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)〉は、地元では「愛染さん」と呼ばれており、縁結びや良縁成就、商売繁盛に御利益があるといわれています。門をくぐると、ひときわ大きな樹齢数百年といわれる桂(かつら)の木があり、ノウゼンカズラのツルがびっしり巻き付いています。その姿が仲睦まじい男女が寄り添っているように見えることから「恋愛成就・夫婦和合の霊木」として、数百年の間、親しまれてきました。この木は、映画『愛染かつら』のモデルにもなっており、良縁を願う人々のほか、往年の名画ファンも数多く訪れます。
境内中央の金堂は推古天皇元(593)年、聖徳太子により創建され2代将軍の徳川秀忠が再建した歴史ある建物。金堂に掛けられた献灯は近松門左衛門の『冥途の飛脚』や井原西鶴の『男色大鑑(なんしょくおおかがみ)』に描かれています。
6月30日〜7月2日には『愛染まつり』と呼ばれる夏祭りが行われ、御本尊である「愛染明王」が特別開帳されます。ここで授与されているのが、愛染かつらを模した「花守り」です。いただくと良縁に恵まれるとされ人気となり、現在では通年授与されるようになりました。
写真上/花守り。1,000円(愛染堂勝鬘院☎06・6779・5800)。写真中/聖徳太子によって創建された歴史ある建物の金堂。写真下/金堂や愛染かつら、愛染明王の梵字などがあしらわれた絵馬。
掲載:BRUTUS#912 (2020年3月16日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。