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御神像土鈴 みやげもんコレクション321 BRUTUS No.916

みやげもんコレクション 321御神像土鈴

奈良県/桜井市
文 / 川端正吾

御神像土鈴1,000円(等彌神社☎0744・42・3377)。ほかにも、御神像を模した手ぬぐいなどもある。

建国の聖地より発掘された八咫烏の御神像。

奈良県桜井市にある等彌(とみ)神社は、神武天皇の時代に鳥見山中に創建され、12世紀初めに現在の場所に移築されたと伝わる、歴史ある神社です。鳥見山は神武天皇が皇祖神を祀(まつ)った地とされ、建国の聖地とも呼ばれています。

160基余りの石灯籠が並ぶ参道を行くと、その先には上社の〈上津尾社〉があり、また裏参道を進むと、下社の〈下津尾社〉があります。元文元(1736)年に、この下津尾社の敷地内にある磐余(いわれ)の松の下から、不思議な神像が掘り出されました。それはまるで土偶のようなミステリアスな姿をした、八咫烏(やたがらす)の立像だったのです。この御神像は、本殿に祀られており、一般公開はされていませんが、社務所にてレプリカを見ることができます。

今回ご紹介するのは、この御神像を模した縁起物「御神像土鈴」です。八咫烏は神武天皇の東征の際に、熊野国から大和国の道案内をして勝利に導いたと伝えられており、勝負の神様として信仰を集めています。この土鈴も、勝負事や受験などに臨む人々の必勝祈願のお守りとして愛されています。

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写真上/御神像土鈴1,000円(等彌神社☎0744・42・3377)。ほかにも、御神像を模した手ぬぐいなどもある。写真中/発掘された御神像のレプリカ。写真下/境内は紅葉の名所としても知られる。


 

掲載:BRUTUS#916 (2020年6月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。