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天狗面 みやげもんコレクション323 BRUTUS No.918

みやげもんコレクション 323天狗面

群馬県/沼田市
文 / 川端正吾

持ち帰ることができる天狗面。昔ながらの手張りで作られたもの。迦葉山龍華院弥勒寺☎0278・23・9500。

霊峰・迦葉山に棲まう天狗にあやかる。

群馬県沼田市の北部にある迦葉山(かしょうざん)は、天狗が棲(す)むといわれている霊峰です。弥勒寺はその迦葉山にあるお寺で、高さ6.5m、鼻の高さは2.8mもある日本一の大天狗面が奉納されていることで知られています。

この大天狗面は、昭和14(1939)年に、戦勝を祈願して作られたもの。昭和45(1970)年には交通安全を祈願した高さ5.5m、鼻の高さ2.7mの大天狗も奉納されました。共に境内の中峰堂に収められており、天井に届かんばかりの巨大さで、見る者を圧倒します。

そして、この弥勒寺には、この天狗面にまつわる独特の風習があります。中峰堂には、巨大な天狗面のほかに、祈願がされた小さな天狗面がズラリと並んでいます。この小さな天狗面は、「お借り面」と呼ばれ、参拝客が借りて家に持ち帰ることができるのです。願いが叶って再度お参りに訪れた際には、門前の茶店で新しい面を買って、借りた面と新しい面の2つを「お返し面」として返納し、さらにまた新たな面を借りて帰る、というもの。

そのため、中峰堂には天狗面が常にびっしりと並んでいます。

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写真上/持ち帰ることができる天狗面。昔ながらの手張りで作られたもの。迦葉山龍華院弥勒寺☎0278・23・9500。写真中/天狗面が奉納されている中峰堂。写真下/巨大面とお借り面が並ぶ中峰堂の内部。


 

掲載:BRUTUS#918 (2020年7月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。