紀伊山地の大峯山脈の南端に位置する玉置（たまき）山に鎮座し、熊野三山の奥の院として栄えた玉置神社。紀伊山地は、紀伊半島の大半を占める山岳地帯で、ここには広大な原生林が広がり、神仏の宿る霊場として古来人々の信仰を集めてきました。「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産にも登録されています。吉野から熊野に至る大峯山脈を縦走する「大峯奥駈道（おくがけみち）」と呼ばれる修行のための道には、大峯七十五靡（なびき）と呼ばれる拝場・行場が遺跡として残っており、１番目の熊野本宮証誠殿から数えて、玉置山はちょうど10番目にあたります。

玉置神社は、紀元前37年、火防（ひぶせ）鎮護と悪魔退散のために創建されたのが始まりと伝えられています。「熊野なる玉置の宮の弓神楽 弦音すれば悪魔退く」と詠まれるように、全国的にも珍しい悪魔退散の御利益があるとされる神社です。今回ご紹介する「悪魔祓（ばら）いの護符」は、そんな御加護をいただける授与品。常に身に着けておくと良いとされており、カードサイズのコンパクトさ。一説によると空海によって書かれたという版で作られています。