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翔運守 みやげもんコレクション348 BRUTUS No.943

みやげもんコレクション 348翔運守

島根県/大田市
文 / 川端正吾

翔運守1,000円(物部神社☎0854・82・0644)。毎月水引の色が異なり、桜色は4月に授与されるもの。

太陽を背負い舞い降りし鶴の翔運守。

戦国時代、石見(いわみ)銀山争奪戦の舞台となり3度も焼失しながらも再建され、全国一の春日造の社殿として現在に至っている島根県の物部(もののべ)神社。祭神は物部氏の祖神として知られる宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)です。宇摩志麻遅命は、この地を平和で豊かにするため、太陽を背負い、白鶴に乗って降臨したといわれています。その降り立った山は鶴降山(つるぶやま)と呼ばれ、山頂には今も国見をした場所と伝えられる遺構が保存されています。その神話にちなみ、太陽を背負った鶴が神社の御神紋となっています。

物部神社には、毎月1日に1ヵ月を無事に過ごせたことへの感謝と、これから来る1ヵ月の無事を祈って参拝する「お朔日(ついたち)参り」という風習があります。そこで授与してもらえるのがこの「翔運守」。神事の供物として供えられた稲穂と水引を組み合わして作られており、翔運・勝運・商運・招運……などなどすべての「ショウ運」をいただけるお守りです。石見地方には、鶴が稲穂をくわえて降臨し、そこから落ちた実は石見から全国へと広がり、日本の稲の発祥となった、という伝承もあるそうです。

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写真上/翔運守1,000円(物部神社☎0854・82・0644)。毎月水引の色が異なり、桜色は4月に授与されるもの。写真中/橙色は7月、紺碧色は10月に授与されている。写真下/全国一の春日造の本殿。


 

掲載:BRUTUS#943 (2021年8月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。