「片山正通」の頭の中を、ウインドウ・ショッピング!? 特集内容 No.206
「片山正通」の頭の中を、ウインドウ・ショッピング!?
東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される展覧会「片山正通的百科全書」(2017年4月8日〜6月25日)。自身の最新作が常に世界から注目を集めているインテリアデザイナーの片山正通さんは、コレクターとしても知られ、買い集めた膨大なコレクションは現代美術から名作家具、旅先の骨董やアートブックまで多岐に渡ります。
展覧会のサブタイトルには「Life is hard… Let’s go shopping.」と付けられていますが、その言葉通り、片山さん個人が実際に買ったものを集めて展示する、という主旨の展覧会です。世界中の「ショッピング空間」をデザインしてきたデザイナーが、ショッピングしてきたアイテムを再編集して展示する、という入れ子構造も面白いのですが、まるでショップのようでありながらショップではなく、アートの展覧会とも、個人の作品展とも言えない、とてもユニークな展覧会になっています。
片山さんご本人によると、これらの買い物が次のデザインの血肉となっているということですが、一見すると直接結びつかないようなアイテムの数々に囲まれると、まるで一人の頭の中を覗き込み、入り組んだ思考回路の中を探検しているかのような錯覚にとらわれます。
デザインとして世に目に見える形で芽を出し、アウトプットされる前に、デザイナーの頭の中には、こんなにも深々と地下に根をはっていることを知るだけでも、街やお店、商品のひとつひとつの見方が変わるかもしれません。個人の買い物の足跡にとどまらない、新しい発見がある展覧会です。