マガジンワールド

BANKSYについて思ったこと Editor’s Voice No.240

Editor’s Voice
BANKSYについて思ったこと

バンクシーの作品集を初めて見た時に印象に残ったのは描かれる子どもの可愛さでした。この特集を担当するにあたって最初にノートに書いたメモは「子ども好き」という言葉で、その後取材を進めていって、人に会って、パレスチナに飛んで、入稿して校了した現在も、自分の中のバンクシー像は「子ども好き」のまま変わらずでいます。
バンクシーといえば都内で見つかったネズミの作品やシュレダー事件で日本でも有名になりましたが、その作品は強いメッセージ性を帯びたものがほとんです。反グローバリスム、パレスチナ問題など、バンクシーの作品には分断化する世界の中で常に弱者の側に立とうとする意志が貫かれています。そしてバンクシー作品に出てくる子どもは「弱者」と「未来」の象徴としていつも描かれています。
こう表現すると子供を政治利用しているようないやらしさが感じられそうですが、実際に作品を見るとバンクシーの描く子どもの可愛さは可哀想とは通じてなくてたくましくもあって、結局「子ども好き」(あと動物好き)がバンクシーの全ての中心にあるような気がしてます。
どの世界であろうが子どもは未来であるな、と本当に思います。

 
編集担当/比舗興人
 

本誌に出てくる子どもたち(のごく一部)

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Juli Sonne


CASA BRUTUS No. 240

バンクシーとは誰か?

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