マガジンワールド

From Editors No. 172 フロム エディターズ

特集内容

VIVA BRAZIL 2014
みんなのブラジル!

いよいよ6月12日、サッカーW杯がブラジルで開幕します。2年後の2016年夏にはリオ・デ・ジャネイロで五輪も開催。そこで、いま注目の情熱の国、ブラジルの魅力をトコトンお伝えします。

坂本龍一、篠山紀信、妹島和世+西沢立衛などの著名人が「私の好きなブラジル」を。またブラジルの音楽、映画、文学、料理、レストラン、アートの事情通が各ジャンルの今、チェックすべきオススメを発表します。

なかでもカーサのオススメは「建築」。首都ブラジリアをつくりあげた天才建築家オスカー・ニーマイヤー作品を筆頭に、今年生誕100年を迎える女性建築家リナ・ボ・バルディや、サンパウロをベースに活躍する気鋭の建築家イザイ・ヴァインフェルトまで、ブラジル建築の魅力をあますことなく紹介いたします。

そして、忘れてはならないのが、20世紀のブラジルが生んだ最大の発明品「ボサノヴァ」です。今年はそのボサノヴァが世界に広まるきっかけとなったアルバム『ゲッツ/ジルベルト』発売から50年。それを記念し、ボサノヴァ誕生ストーリーから、ボサノヴァ好きにはたまらないリオ・デ・ジャネイロ聖地巡礼の旅まで、恋焦がれるボサノヴァの世界を取り上げます。

建築、ボサノヴァ以外にも、サッカースタジアム、家具デザイン、トップシェフなどなどもフィーチャー。いま一番気になる国ブラジルの扉を、この特集を読んで、さあ、開きましょう!


 

Editor’s Voice

ピストル強盗に気をつけろ!
4月の晴れた日曜の朝。ニテロイ市の比較的裕福なエリアにある海岸沿いの遊歩道でのことです。私たち取材チームはオスカー・ニーマイヤー設計の〈ニテロイ現代美術館〉を撮影していました。周囲は日曜ということもあって、ジョギングや散歩をする人たちでいっぱいです。海では釣りをする人、泳ぐ人もいます。のどかでハッピーな風景。

そんななか撮影をしていると、ひとりの身なりのよい地元マダムが私たちに近づいてきてこう言いました。「ここは頻繁にピストル強盗が出るから、撮影は止めたほうがいいわよ」。

平和な雰囲気から想像できないショッキングな忠告に、慌ててその場から離れました(この忠告を受けた海岸から撮影したニテロイ現代美術館の写真がここで紹介している写真です)。

ブラジルのリオとサンパウロは、特に犯罪遭遇率が高いようです。そしてブラジルでは安全とされるような場所でも犯罪に巻き込まれることが多々あります。つまり危険なエリアに近づかなくても犯罪にあう可能性が高いのです。

実際、カーサ取材チームが行く2週間ほど前にも、日本の駐在員が多く住む高級エリアにあるスーパー前で、金曜の夜10時頃に、家族の買い物を道路で駐車し車で待っていた地元の人が強盗に襲われ命を落としたそうです。

取材中ブラジルに住む何人かの日本人駐在員にも会いましたが、ピストル強盗に会い車と財布を取られた、高級時計を取られた(それも日本でいうと丸の内のようなオフィス街で…)、車に乗っていたら渋滞中、突然窓ガラスを割られバッグを取られたなどなど…みなさん、いろいろな犯罪被害に遭っていました。

もし、読者の方でブラジルに行くことがあれば以下のことをぜひ注意してください。

①高級な時計や貴金属は、そもそも身に着けていかない(日本に置いていく)。
②スマートフォンは人前で出さない。
③強盗に遭ったら、抵抗しない(素直に差し出す)。

では、みなさんお気をつけて、よいブラジルへの旅を!

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特集担当編集/白井良邦(ブラジル渡航歴3回)
CASA BRUTUS No. 172

みんなのブラジル

968円 — 2014.06.10電子版あり
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