From Editors No. 188 フロム エディターズ
特集内容
INTERIOR REMODELING
インテリア改造計画!
模様替え
ドアハンドル、水栓、タイル、照明、スイッチパネル…。インテリアを美しく改造する秘訣はディテールにありました。この特集は、リノベーション・ガイドから金物・住宅パーツ大全まで、理想の住空間に模様替えするための呆れるほど詳細なマニュアルです!
【RENOVATION】
インテリアデザイナー佐々木一也による、リノベーションの教科書。
数々のショップ空間を手掛けるインテリアデザイナー佐々木一也さんは、築50年のヴィンテージマンションにある自宅をいかに模様替えしたのか。新しい居住空間に生まれ変わる過程と各部屋の構成要素を徹底図解します。
●LIVING|ホテルのラウンジを思わせるリビング。
●KITCHEN|異素材のバランスで表情を生むキッチン。
●BATHROOM|NYの地下鉄タイルで覆った渾身のバスルーム。
●JAPANESE STYLE ROOM|ミニマルでモダンな和室。
●DOOR|部屋を劇的に変える建具。
●DETAIL|家とはすなわちディテールの総体。
【INDUSTRIAL MODERN】
工業製品が好きです♡
模様替えに工業製品や業務用品を上手く取り入れるのが今の気分かと。 そこで、金物から、収納、椅子、照明、シェルフ、水回り、ツールまで、 新しい解釈で見直したモダンでアーバンなインダストリアル大全をお届けいたします。
【REMODELING METHOD】
模様替え実例集
●川本 諭(GREEN FINGERS)|スペースごとに壁の色を自由に。
●長坂 常+ 明治大学構法計画研究室|昭和の一軒家をローコストに。
●渡辺康啓(料理家)|リノベーション物件を料理教室仕様に。
●藤井健一郎(krank/marcello)|コンクリートの箱をクラフトな空間に。
●JETMINMIN|築42年の廃屋をDIYで。
【その他の特集】
●maharam|マハラムを知っていますか?
●SHOW WINDOW|ハイエンドなITアイテムが集合!
●野村友里|春夏秋冬 おいしい手帖 SPECIAL!
●Tokyo Design Event Preview 2015|秋のデザインイベント予告。
Editor’s Voice
EXIT METAL WORK SUPPLYを知っていますか?
〈EXIT〉は1996年に当時25歳だった清水薫を中心に、20代の若者5人によって結成された集団です。当時〈イデー〉にて、カリム・ラシッドを始めとした海外デザイナーのプロトタイプを製作するモデラーの仕事を担っていた清水が「ちょっとお洒落な鉄工所をやりたい」と東麻布に小さな工場を借りたのが始まりでした。
90年代半ばといえば、イームズを始めとしたミッドセンチュリーのブームが盛り上がりを見せるのと同時に、マイケル・ヤング、トム・ディクソン、ジャスパー・モリソンといったロンドンデザインが東京に入ってきた時代。空間デザインの潮流も、80年のバブル的なものから、ストリートの匂いや音楽的なセンスを感じさせるものへと移行していきました。そして、鉄の家具や什器の製作から空間のデザインや設計までを一貫して行う、いわば鉄職人が集まったデザイン集団〈EXIT〉は、そんな時代の流れにマッチして大きな注目を集め、〈nano・universe〉〈NUMBER (N)INE〉〈バワリー・キッチン〉など、画期的なショップの内装や家具のデザインを次々と手がけていったのです。
その後〈EXIT〉は、メンバー個々への指名物件が増えたのを機に、2000年〜02年にかけて創立メンバーが次々と独立。高橋紀人はインテリアスタイリスト神林千夏とともに〈Jamo associates〉を設立し〈3.1 Phillip Lim〉〈THE CONTEMPORARY FIX〉〈BEAMS〉などを、勝田隆夫は〈LINE-INC.〉を立ち上げ〈CA4LA〉〈ADAM ET ROPE’〉〈ACTUS〉などを、99年に〈EXIT〉に加入した佐々木一也は08年に〈SMALLCLONE〉を設立し〈ARTS&SCIENCE〉〈UNDERCOVER〉〈UNITED ARROWS〉などを手がけ、〈EXIT〉卒業生はそれぞれ先端のショップデザインを次々と生み出していくことになるのです。一方で、創設者の清水は、デザインする職人のためのNPO 法人〈現代手工業乃党〉を設立しつつ、〈EXIT〉をオリジナルのショップ什器を製作するメーカーへと業態を変えていったのでありました。
そして、佐々木さん曰く「今でも、モノを作ったり、考えたりする時には、あの鉄工所に戻っているようか気がするんです」。
なお、この編集後記は雑誌『HUGE』2009年2月号に8ページにわたって掲載された〈EXIT〉の記事を参考にして書きました。とても充実した内容なので、佐々木さんの出自となった〈EXIT〉についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひバックナンバーを探してみてください。