From Editors No. 201 フロム エディターズ
特集内容
居心地のいい本屋さん
お目当ての本があってもなくても、本のある空間は心地いいものです。
近年、本に合わせてセレクトされた雑貨が並び、本を選びながらコーヒーやビールが楽しめる、新しいスタイルの書店が次々と生まれ人気を集めています。
また、書店に限らず、ホテルや温泉のライブラリーや、本棚のある飲食店など、本が居心地のよさを作り出し、訪れる人の心を掴んでいる空間もあります。
日々の生活の中でふらりと立ち寄りたくなる、旅のデスティネーションのひとつになる……そんな国内外の本屋さん、本のある空間を集めました。
心地いい暮らしの参考書40冊のブックガイド付きです!
●松浦弥太郎エッセイ「友達の家のような」
●本とグリーンとDIY/ROUTE BOOKS
●“街の本屋”の新しいカタチ/MINOU BOOKS & CAFE
●“居場所”であり続ける本屋/橙書店
●峠を越えていく本の山小屋/ロバの本屋
●日本全国で見つけた、スタイルのある本屋さん。
●本の目利きが語る、いまどきの本屋の空間作り。
●蒼井優、図書館みたいな静謐なホテルへ/野尻湖ホテル エルボスコ
●北の都で花開くスイーツと本の甘い関係/北菓楼札幌本館/六花文庫
●山好き垂涎の本が13,000冊! 温泉地の山岳図書館/林の中の小さな図書館
●ポール・スミスは東京の本屋が大好きです。
●建築家の本棚。
●NYのアイコン的図書室が修復を終え再オープン!
●本を食べる。
●上田に広がる、古書店コミュニティー。
●オークランドの人気書店がプロダクトをつくる理由。
●建築と本で巡る北欧の旅。
●BOOKSHOP COLUMN
01 グッドデザインなブックカバーとしおりの話。
02 海外書店のトートバッグコレクション。
03 街のランドマークになりそうな、新顔書店。
04 ソウルは空前の本屋さんブームです。
05 美しき意匠を愛でたい、近代建築の中の書店。
06 泊まって読む。
07 エア本屋&フリーランス書店員って何ですか?
08 明日から本屋になる方法。
●BOOK GUIDE/人気書店店主&クリエイターが選んだ、心地いい暮らしの必読書40冊。
【第2特集】
名作椅子×ファッション
●アルフレックス《マレンコ》×N.HOOLYWOOD
●アルテック《ドムスラウンジチェア》×sacai
●ハーマンミラー《イームズ プライウッド ダイニングチェアDCW》×visvim
【第3特集】
●ポール・ケアホルムとPL22。
繊細な美しさを放つ椅子、ポール・ケアホルムのPK22。建築家やデザイナーに愛される秘密とは?
Editor’s Voice
店は店主に似る?
長野県上田で訪れた〈まるさんかくしかく堂〉の店長・中村信之さんは、世界中を旅してきたという男性。言葉のはしばしに感じられる「いますぐまた旅に出たい!」という熱い想いや縛られない生き方への憧れが、店内に並ぶカウンターカルチャーを軸にした書籍と見事に繋がっていました。同じく上田で、絵本や料理本を多く扱い、手作り雑貨も並ぶ〈コトバヤ 本と珈琲〉の高橋さとみさんは、絵本について語っているときの優しい表情と、近所の頼れるお姉さんのような親しみやすい立ち振る舞いが印象的。温かい人柄が、手作り感溢れるお店全体を包み込んでいるようでした。また、青山の裏道に佇む、喫茶スペースのある〈ヘイデンブックス〉の店主・林下英治さんは、カウンターで静かにコーヒーを淹れる姿と落ち着き感ある物腰で、訪れる人に程よい緊張感とリラックス感を与えてくれます。林下さんの選ぶ読書に合ったインストゥルメンタル音楽も、静謐な空間に絶妙にマッチ。
“居心地のいい本屋さん”作りに必要なのは、本とコーヒーだけにあらず。店主の人柄も欠かせない要素のひとつで、それが、本を選んでいるときに感じる心地いい空気感につながるのだな、と再確認した取材でした。
そして、いま大人気の書店店主といえば、銀座で唯一無二の店作りを展開している〈森岡書店〉の森岡督行さん。ニコニコ笑顔と人懐こいトークでお客さんたちを虜にし、森岡さんと写真を撮っていく人も多いとか。今号では、そんな森岡書店をポール・スミスさんが訪問! ふたりの楽しげなやりとりの様子は、ぜひ、誌面をご覧ください!