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決して小難しい特集ではありません…! Editor’s Voice No.212

Editor’s Voice
決して小難しい特集ではありません…!

敷居が高いイメージがある日本建築、案内役は現代美術作家の杉本博司。……この並び、なんだか小難しい特集のように思えますよね? ところが全く逆です。杉本さんはその建築が持つ神髄を、素人にもわかりやすい平たい言葉で解説してくれるのです。例えば、千利休。誰もが一度は耳にしたことのある茶人ですが、では「数寄屋」や「わびさび」ってどういうこと? と問われると、うっ…と言葉に詰まりますよね。でも、杉本さんの手に掛かればこうです。

数寄屋とは数寄者の住まう家のことである。数寄とは「好き」のあて字で、風流に遊ぶ、すなわち和歌や茶の湯、生け花などをたしなむことを言う。(中略)今日までに伝わる利休作と信じうる唯一の茶室遺構である待庵は、片田舎の苫屋のような、草むした庵を演出し、金満家が貧乏人を気取るという悪趣味を、最も洗練された風情として定着させた。「名馬を藁屋につなぎたる風情」とは、ロールスロイスで屋台のおでん屋に出かけるといった風情である。(中略)こうして、もてはやされるようになった「侘茶」は、侘びることが自身の成功を詫びるような、利休のひねた精神が発露されたものと言えよう。

どうです? 千利休について少しわかった気がしませんか? そう、この特集は杉本さん独自の視点で選んだ日本の名建築をわかりやすくおさらいできる特集なのです。そして、古代から近世までの日本建築の素材や工法を研究してきた杉本さんの建築の集大成、小田原文化財団〈江之浦測候所〉をより深く理解できる特集でもあります。

各時代の建築様式を取り入れてこの10月に完成した〈江之浦測候所〉は日本建築史を通観できる施設。
各時代の建築様式を取り入れてこの10月に完成した〈江之浦測候所〉は日本建築史を通観できる施設。
〈江之浦測候所〉に設置された茶室〈雨聴天〉は千利休〈待庵〉の平面図を寸分違わず写したもの。
〈江之浦測候所〉に設置された茶室〈雨聴天〉は千利休〈待庵〉の平面図を寸分違わず写したもの。


特集担当編集/西尾洋一
CASA BRUTUS No. 212

杉本博司が案内する、おさらい日本の名建築

980円 — 2017.10.10電子版あり
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CASA BRUTUS No. 212 —『杉本博司が案内する、おさらい日本の名建築』

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