みやげもんコレクション 136
キナキナ
岩手県/花巻市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#731 (2012年5月15日号)

美しい曲線美と簡素な絵付けで魅せる南部地方のこけし。
伝統こけしの一系統である、南部系こけし。岩手県の花巻や盛岡を中心に発展したもので、他の系統とはずいぶん違う趣があります。こけしの特徴である華やかな胴模様や顔がほとんど描かれず、白木の木肌をそのまま活かした作品が多いのです。描かれたとしても、写真のようないたって簡単なロクロ模様や、簡素な顔の表情程度というシンプルさ。木肌の美しさと、ふっくらとした美しい曲線を描くシルエットで魅せてくれるこけしです。
もともとは花巻のあたりで使われていた赤ん坊のための木のおしゃぶりから始まったといわれており、とても小ぶりで、頭を振れば“キナキナ”と動きます。この緩いはめ込み式の頭が動く様子から「キナキナ」とも呼ばれています。今回いただいたキナキナは、花巻市の宮沢賢治記念館のすぐそばに工房を構える煤孫盛造(すすまごもりぞう)工人によるもの。彩色を抑えて木肌を活かす南部系こけしらしく、30種類以上の木を使い、様々な木目の表情で楽しませてくれます。また、帽子とマント姿で首を傾けた、宮沢賢治の姿を思わせる創作こけし「木偶乃坊(でくのぼう)」も人気です。
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写真上/キナキナ(3.3寸)1,300円(工房 木偶乃坊 煤孫こけし Tel: 0198・31・2165)。下左/宮沢賢治を思わせる創作こけし、木偶乃坊(3寸)1,800円。下右/花巻にはほかに花巻人形のような土人形も。 |
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