ブルータス - BRUTUS | みやげもん | 084 出雲人形/奈良

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みやげもんコレクション 084
出雲人形
奈良県/桜井市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#679 (2010年2月15日号)
古墳に眠る埴輪の遺伝子を受け継ぐ、長谷寺詣で土産。

 婚礼の白無垢姿のかわいいお人形? いえいえ、この真っ白なお顔から、どことなくミステリアスな雰囲気を感じません? 胸元をよーく見てみてください。着物の合わせが左前になっていますよね。そう、つまり亡くなってしまった人をかたどった人形なんです。こちら、かつて古墳に埋葬されていた“埴輪(はにわ)”が起源と言われている、奈良県の「出雲人形」です。


 2000年以上前の垂仁天皇の時代。皇后の死に際して殉死の風習を改めようとしていた天皇は、野見宿禰(のみのすくね)の「土の人馬や種々の形を造り、これに変えられては」という意見を取り上げ、以来、副葬品として土で出来た人馬の埴輪が埋められるように。この時、野見宿禰が今の奈良県桜井市出雲に土師部(はじべ)100人を住まわせて埴輪の製作に当たらせます。その子孫たちがお土産物として土人形を製作したのが「出雲人形」となり、長谷寺(はせでら)詣での人々に非常に喜ばれ、奈良の代表的な郷土玩具となりました。一時は途絶えてしまいましたが、現在は水野家と厳樫(いつかし)家の2軒が再興。上の写真は水野家の人形で、もみ殻で焼き上げる古来の手法で製作されています。

水野家は予約制(Tel: 0744・47・7255)、厳樫家は長谷寺の参道に工房があり、その向かいの茶店で販売している。写真右/茶店で売られる様々な出雲人形(厳樫家)。写真左/参道の工房(厳樫家)。
     
※この地図は厳樫家のものです