ブルータス - BRUTUS | みやげもん | 086 南蛮人形/大阪

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みやげもんコレクション 086
神猿
滋賀県/大津市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#681 (2010年3月15日号)
鬼門からやってくる厄災祓いはおまかせ! “魔が去る”の神猿。

 まるでモアイ像のような面持ちの、一刀彫りの縁起物。滋賀県の日吉大社で授与されている「神猿(まさる)」です。長い頭は猿が烏帽子を被っている様子を象(かたど)ったもの。右手には御幣を抱えています。大社では、猿は神の使いとして祀られており、その名が「魔が去る、何よりも勝る」に通じることから、魔除けや必勝祈願などの御利益がいただけるとして信仰されています。境内の楼門に、門の屋根を支える猿の木彫りが施されていたり、しゃがんだ猿の姿に見立てた「猿岩」が祀られているなど、随所に猿信仰の形を見ることができ、さらに社務所の前の神猿舎では2匹の猿が境内の守り神として飼育されていたりもします。


 一刀彫りの神猿は、北東の方角に向けて置きます。陰陽道では、北東は家に災いが訪れると言われている表鬼門で、万事に忌むべき方角。この鬼門からやってくる厄災を祓っていただき、開運招福をもたらすという縁起物なのです。なんと神猿はあの京都御所にも出張しており、御所の北東隅にあたる「猿が辻」の軒下には、日吉大社からの使いとして神猿が彫刻されているほど。頼もしい限りです。

日吉大社は、全国に約3,800社ある、日吉・日枝・山王神社の総本宮。西本宮の楼門軒下には屋根を支える「棟持ち猿」の彫刻が。社務所では、一刀彫りのほか、様々な神猿の縁起物が授与されている。