みやげもんコレクション 087
柿乗り猿
静岡県/浜松市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#682 (2010年4月1日号)

大好物にまたがってゆらゆらゆらり。満足げな浜松の猿。
古来の製法を守り続ける伝統張り子が多く残る静岡県。「浜松張り子」も明治元年から続く伝統技法を守り、今も一つ一つ手作りで作られています。ひょうきんなモチーフで楽しませてくれる作品が多く、写真の「柿乗り猿」はその代表作の一つ。大きな柿を独り占めするようにしてしがみつき、「誰にもやらないよっ」と言わんばかりの顔で、ふらりふらりと満足げに首を揺らします。猿と、大好物である柿の組み合わせは多くの玩具となっていますが、「柿LOVE」な気持ちをここまでコミカルに表現できている玩具はなかなかありません。
元徳川幕臣であった三輪永保が、明治政府の命により今の浜松へ移住させられた際に張り子製作を開始したのが浜松張り子の始まり。もともと絵の修業をしていた永保の作る多彩な作品はすぐに評判となり、浜松みやげとして定着しました。現在は4代目の二橋加代子さんが作り伝えています。加代子さんは先代たちが残した作品を見本にして、ほぼ独学で製作法を習得していったそう。そのバイタリティで長く作られていなかった古作も積極的に復活させています。
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動物の張り子に車輪が付いた「車物」と呼ばれる張り子も浜松張り子の名物。ちょうど車物の製作時期で、真っ白な干支の張り子が絵付けを待っていた。●浜松市西区大人見町12−392Tel: 053・485・0797。 |
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