みやげもんコレクション 095
モマ笛
福岡県/福津市
文 / 川端正吾
掲載:BRUTUS#690 (2010年8月1日号)

“先見の明”が備わるだけでなく、リハビリにも活躍⁉
九州地方では「魔物」のことを「モマ」と呼びます。闇の中で怪しい鳴き声を出すフクロウも、その昔は「モマ」でした。ただし、怪しまれるだけでなく、フクロウは先を見通す能力を持つ生き物とされ、その姿をかたどった土笛「モマ笛」が、福津市の宮地嶽神社で縁起物として授与されていました。現在、神社では授与されていませんが、同じく福津市にある2軒の津屋崎人形製作元で作られており、店頭で販売されています。
津屋崎人形は古博多人形の流れを汲む1700年代から続く歴史ある土人形。干支や招き猫など様々な型が伝わっており、雛人形など製作に1年ほどかかる大作もあります。なかでも、モマ笛は小型でかわいらしく、値段も手頃な津屋崎人形の代表的みやげもん。玩具としてだけでなく、かつては、お年寄りがこの笛を吹いて気道を広げ、食事の喉の通りを良くするために使っていたのだとか。試しに吹いてみると、たしかに気道を大きく開いて息を吹き込まないとフクロウのような「ホーホー」という低音の音をうまく出せません。生活に密着した道具でもあったんですね。
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写真右/少し写実的なモマ笛も。写真左/津屋崎に残る製作元の一つ〈筑前津屋崎人形巧房〉の原田誠さん。写真上/モマ笛・中500円、小400円。●福岡県福津市津屋崎3−14−3 Tel: 0940・52・0419。 |
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