曳山人形 みやげもんコレクション291 BRUTUS No.886
みやげもんコレクション 291曳山人形
佐賀県/唐津市
文 / 川端正吾
豪華絢爛な曳山を再現した土人形たち。
14台の豪華な曳山(ひきやま)が唐津の旧城下町を巡航するお祭り『唐津くんち』。鯛や獅子、兜(かぶと)や亀などを象(かたど)った巨大な曳山は、乾漆造(かんしつぞう)による世界最大の工芸品で、その制作費は、現在の価格にすると1億〜2億円にもなるといわれています。唐津くんちは、唐津神社の秋季例大祭として行われているもので、今日のような曳山が登場したのは、一番曳山の赤獅子が奉納された文政2(1819)年から。以来、明治9(1876)年までに15台が制作されました。1台は消失してしまったため、現在は14台で巡行しています。
そんな曳山をモチーフにした郷土玩具は、かつて様々なものがありましたが、現在残っているものはごくわずか。今回ご紹介するのは、一度廃絶しながら、2017年に見事復活した土人形「曳山人形」です。高さ約25㎝から5㎝の4つのサイズがあり、最小の「ミニサイズ」のものがこちら。小さいながら、各曳山の特徴がうまくデフォルメされています。すべてのサイズに14台の曳山がラインナップされており、曳山巡行の様子を再現できるのがうれしいところです。
写真上/曳山玩具(ミニサイズ)14台セット4,490円(唐津民芸曳山☎0955・74・0526)。写真中/最小サイズの土人形も、すべての曳山が揃う。写真下/毎年11月に行われる唐津くんちの様子。
掲載:BRUTUS#886 (2019年2月15号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。