身代わり守り みやげもんコレクション302 BRUTUS No.897
みやげもんコレクション 302身代わり守り
東京都/文京区
文 / 川端正吾
強運の神社、根津神社の身代わりの鈴。
3000本のツツジが咲き乱れる『文京つつじまつり』で有名な、東京都文京区にある根津神社。創建は約1900年前といわれ、現在の社殿は1706年、徳川5代将軍・綱吉によって奉建されました。その江戸時代に建てられた、本殿、幣殿(へいでん)、拝殿、唐門(からもん)、西門、透塀(すきべい)、楼門(ろうもん)のすべてが戦火を免れて現存しており、国の重要文化財になりました。そこから「強運の神社」として知られ、パワースポットとして人気を集めています。また文豪に愛された神社としても知られ、近所に住んでいた夏目漱石や森鴎外が座って作品の構想を練ったという「文豪憩いの石」があり、実際に根津神社は漱石の小説『道草』や鴎外の『青年』にも登場しています。
そんな見どころ盛りだくさんな根津神社は、授与品もユニーク。この「身代わり守り」は、干支を象(かたど)った4cmほどの小さな素焼きの土鈴(どれい)で、自分の干支の鈴を持っていると、厄災が降り掛かった際に身代わりになってくれるのだとか。本来は自分の干支の鈴を授与していただくのですが、毎年その年の干支をいただいてコレクションする方もいるそうです。
写真上/身代わり守り各700円(根津神社☎03・3822・0753)。通年授与されている。写真中/十二支の身代わり守りたち。写真下/東京十社巡りのために用意されたミニ絵馬300円(根津神社)。
掲載:BRUTUS#897 (2019年8月1日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。