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鰹車 みやげもんコレクション309 BRUTUS No.904

みやげもんコレクション 309鰹車

高知県/高知市
文 / 川端正吾

鰹車 中3,300円(とさ民芸品きやまみギャラリー☎088・ 882・0171)。

帰りを待つ妻子のために作った漁師の土産物。

高知といえば、歴史的に捕鯨が盛んに行われてきた場所。鯨(くじら)は日常生活に非常に密着していたため、地域を象徴するモチーフとして親しまれ、鯨車や鯨舟などの玩具が数多く作られています。そんな鯨玩具については、以前当連載でもご紹介させていただきましたが、今回は、鯨に代わって、現在高知を代表する水産物となっている鰹(かつお)をモチーフにした玩具「鰹車」です。

その歴史は古く、100年以上も前から作られているといわれています。もともとは鰹漁に従事する漁師たちが、海に出るとしばらく会えなくなってしまう妻子のために、船上で折れた櫓(ろ)などの破材を使って鰹の木彫りを作り、それに車をつけて、子供が遊べるお土産にしたことが始まりといわれています。これが時代を経て土産物として作られるようになり、高知を代表する郷土玩具になりました。

現在は、多くの高知の郷土玩具を手がけているとさ民芸品きやまみギャラリーによって作られています。この鰹車のほか、鯨車、鯨舟、よさこい人形など、高知をテーマにした玩具の製作を数多く引き継いで、作り伝えています。

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写真上/鰹車 中3,300円(とさ民芸品きやまみギャラリー☎088・882・0171)。写真中/小型で丸みを帯びたタイプの鯨車。写真下/高知版の河童のような妖怪「しばてん」の張り子も人気。


 

掲載:BRUTUS#904 (2019年11月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。