マガジンワールド

しらこばと笛 みやげもんコレクション334 BRUTUS No.929

みやげもんコレクション 334しらこばと笛

埼玉県/越谷市
文 / 川端正吾

しらこばと笛各500円(NPO法人 障害者の職場参加をすすめる会☎048・964・1819)。

童謡「はとぽっぽ」のモデルにもなった天然記念物の鳩。

国の天然記念物であり、埼玉県の県鳥、越谷市の市鳥でもあるシラコバト。体長30cm程度のやや小型の鳩で、灰色の体には首に黒い首輪のような模様が入るのが特徴です。あの有名な童謡「はとぽっぽ」に出てくる鳩は、このシラコバトと言われており、キジバトよりもやや小さくてか細い声で鳴きます。越谷市では、養鶏業が全国有数の生産を誇った1970年代までは鶏舎の餌をついばむ様子などを見かけることができましたが、開発による環境の変化で数が激減し、現在自然界では100羽程度しか確認できなくなってきているそうです。

越谷市には、そんなシラコバトをモチーフにした鳩笛があります。80年頃から、市内の人形師、ひな源の山崎昭二さんが作り始めたものです。現在も作られており、ひな源で絵付けまでされたもののほか、ひな源で焼かれた鳩笛の素地に、市内の障害者支援施設である〈NPO法人 障害者の職場参加をすすめる会〉で絵付けをしたものも販売されています。今回写真上で紹介しているのは後者のもの。素朴な絵付けが、可愛らしい佇まいを一層引き立てています。

image
image
写真上/しらこばと笛各500円(NPO法人 障害者の職場参加をすすめる会☎048・964・1819)。写真中/天然記念物のシラコバト。写真下/ひな源の素地に絵付け作業を行っている障害者の方々。


 

掲載:BRUTUS#929 (2020年12月15日号)
値段・問い合わせ先などは、発売当時のものです。