いい仕事は、いい仕事場から。 Editor’s Voice No.218
Editor’s Voice
いい仕事は、いい仕事場から。
「デザインのいい仕事場」を探して、世界中のかっこいいオフィスを訪ねた本特集。「働き方改革」という掛け声がさまざまな場所から聞こえてくる昨今ですが、はたしてほんとうに働き方はアップデートされ、オフィスは進化してるんだろうか? ラップトップひとつでどこでも仕事ができちゃうこれからの時代に、わざわざ集まって働きたくなるオフィスデザインってどんな空間なんだろう? そんなクエスチョンを掲げて、普段見ることのできない会社のバックヤードへと潜入してきました。
今回、業種も、扱う商品のジャンルもまったく異なる会社を訪ねたわけですが、共通して感じたのは「名は体を表す」ならぬ「オフィスデザインは体を表す」ということ。キャンプ製品を主に扱うスノーピークでは、焚き火台を囲んだりテントの中でリラックスしながらアイデアを出していたのが印象的だったし、製薬会社のノバルティスでは、キャンパス内に点在するオフィス棟を世界の一流の建築家たちが設計していることと、世界中の一流の研究者が集結していることとが、重なって見えました。
そのほかのかっこいいオフィスはぜひ誌面で見てもらいたいのですが、西海岸の自由な雰囲気の楽しいオフィスや、シンガポールの競馬場を大胆に改装して作ったランドスケープの設計事務所、現代美術のミュージアムで働いているかのような会社など、どれも、ため息がでるほどうらやましいオフィスばかり。取材から帰ってきて、散らかった編集部や、資料で山積みの自分の机を見るごとに「雑誌を作っているから、雑然としてるんだよ、きっと」なんて強がってみたりもしましたが、「いい仕事は、きっといい仕事場から生まれるものなんだ」、と改まり、まずは自分の机の整理整頓の第一歩として、良品計画のリノベーションオフィスで採用していたものと、まったく同じ型番のテプラを購入してみたのでした(まだ使っていない)。