模型の中に入った気分。 Editor’s Voice No.227
Editor’s Voice
模型の中に入った気分。
毎年恒例の最新住宅の本特集。今号では、ファッションブランド〈HYKE〉の吉原秀明さんと大出由紀子さんの〈HOUSE HYKE〉の家づくりに、着工直後から密着取材させて頂きました。これまでも数えきれないほどの家の取材をさせて頂きましたが、まだ模型しか存在しない住宅を取材したのは、今回がほぼ初めて。どんな家ができるのだろうかという期待と、締め切りへの不安を抱えながらも、リアルタイムに家ができあがっていく様子を垣間見れた、非常に貴重な撮影となりました。
さて、家づくりに密着する中で、もっとも印象的だったのが、100にも及ぶ模型の数と、吉原さんのこの言葉。
「できあがった家に実際に入った時は、模型の中に入ったような気分でした」
図面や模型を繰り返し検証し、何度もイメージを積み重ねることで、1分の1で完成した家と頭の中に描いていた理想の家が、ぴたりと重なり、前述のような言葉になったのだなと、感嘆しました。
その言葉を裏付けるべく、表紙の写真と同じ画角で模型を撮影してみると…
ピエール・ジャンヌレのライブラリーデスクの特徴的な脚の角度や、フローリングのパーケット張りまで、見事に再現されていることが分かります。
とことんこだわり抜いた最新住宅を、ぜひ誌面にてご覧ください。
特集担当編集/奥村健一