宮崎市佐土原町は、かつて日向国にあった佐土原城の城下町として栄えた町。この町に今も残る郷土玩具・佐土原人形は、350年ほど前に、高麗人から土人形の製作方法を教わり、始まったものといわれています。のちに京都から伏見人形が持ち込まれ、この影響を大きく受け、現在の伏見人形に似た作風となりました。元来の佐土原人形は現存せず、どんなものだったかは今もわかっていません。

様々なモチーフの中でも異彩を放つのがイエス生誕のシーンを土人形で再現した、この組み人形。世界中の人形玩具でイエス誕生のシーンを再現したものを販売し、収益をアフリカに寄付する、というイベントがイタリアで行われた際に要請があり、製作したもの。以来、評判となり、今では定番の商品として販売されています。ヨゼフとマリアが和服というのが、なんとも微笑ましいです。

そのほか佐土原では農民が行う歌舞伎が盛んで、その演目をモチーフにした歌舞伎人形も多く作られています。人形とともに背景や小道具などとセットとなっている人形も多く、シーンを再現できる楽しみがあります。