バウハウスなんかこわくない!? Editor’s Voice No.204
Editor’s Voice
バウハウスなんかこわくない!?
『Casa BRUTUS』の歴史を少し紐解くと、今のスタイルで創刊したのは1998年、月刊誌となったのが2000年です。そして、栄えある月刊化一号目の特集が実はバウハウスだったのです。題して「20世紀デザインの必修科目 バウハウスなんかこわくない。」今でこそ雑誌がデザインを語るのは当たり前になっていますが、当時はバウハウスのような存在を真正面から特集すること自体が画期的なことでした。巻頭のリードには次のようなことが高らかに宣言されています。
「新しい世紀を迎えようとする今、人類史上最も発展を遂げた今世紀のさまざまな事柄を見直し、復習が世界的なブームとなっています。デザインに関して言えば、このバウハウスなくして20世紀デザインを語ることはできません。それはこの学校が単なる教育という枠を超え、多くのプロダクツを生み、日常生活にデザインという概念を与えたからなのです。」
あれから17年、バウハウスは本当にこわくない存在になりましたでしょうか。確かに今日の日本ではデザインという概念は日常生活に当たり前のように入り込んでいます。一方で、バウハウスといえば、いまだに学術的な雲の上の存在として位置づけられている気がします。ただ、ドイツでは約100年前に生まれたバウハウスのプロダクトがスタンダードなものとして定着し、実際に使われています。
そこで、今回の〈美しい日用品ネットストア〉でも、ヴァルター・グロピウスのドアハンドルや、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの照明など、バウハウス・デザインを多数取り揃えました。これらを実際に手に取って使ってみて、バウハウスがいまだにリアルな存在であることを確かめてみてください。てゆーか、そもそもバウハウス・デザインって何? と言う方には、1965年にグロピウスがヴァーゲンフェルトへ宛てた手紙の一節をお届けします。
“あなたとあなたがデザインする製品は、まさしくバウハウスが追求し続けた理想そのものである”。